満月あたりは月の出がおそくなるから、
ちょうどお風呂上りの寝るまえに東の出窓にドドンと月現る。
その姿たるや、あまりに立派なので、
「おいそこのおまえ、はよ、はよ、われの光を浴びよ」
とお月様にいわれてる気持ちになり、
電気を点けているのが後ろめたくなり、
部屋の灯りを消してカーテンをあけ窓辺にひれふす。
白くて強い月あかりが強烈に差し込む部屋の中で
月光浴しながら「頭がよくなりますように」と祈る。
月あかりを浴びると賢くなると以前どこかで聞いたことがあるから。
浄化作用もあるという。
浄化作用なら太陽熱の方が高そうだ。
高松からきたひとも、愛媛からきたひとも、
「高知はちょっとぬくい、太陽がちかい」と言うていたから。
毎日こうして太陽を浴び月を浴びしているが、
私の業は浄化されている感じぜんぜんない。
ピアノを毎日ゆっくり弾けるのはうれしい。
弾けば弾くほどに、歌えば歌うほどに、
気持ちがあせるような、はやるような感じになって、
時計がこわれたみたいにあっという間に時間がたって、
ああもっともっともっと、弾きたい歌いたいのに、とおもう。
こたえはもうすぐそこなのに、とおもう。
しかし私は大人なのでおもう。こたえとかないき。「あせったらいかん」。
なのでピアノのふたをしめて、夕方のおかあさんの顔に着替える。
今週末はうどん屋の2階にて、2004年から2011年の間の歌をメインにうたいます
。
同じ時代を過ごした違う人たちの道のりをおなかのそこに感じながら。
その翌日は冬の函館の2デイズライヴへ。
氷点下の風が沸騰するくらいうたいます。